15.3.23

物忘れしがちな年頃だった。


最近、夜中に目が覚める。→ ずっと目が冴えたまま。→仕方がないからTVをつけて、無難そうな映画またはドラマをそーっと探す。(一眼でもホラーだったら別次元が覚醒しそうで怖いから。)→ そんな感じで時間がかかる。目が梅干しの種みたいになってる。

それで、ある日はThe Little Prince (リトルプリンス 星の王子さまと私 2016年)を見つけて鑑賞。サムネイル?があの有名な ー星の王子さまー の絵面だったから、ベッドタイムストーリーに良いかもと見始める。主人公の女の子とお母さんがお目目のデカいツルッとしたアニメーションだったので、アレ?って感じで何分か過ぎたら、寝入ってた。(笑)

別の日にもう一度、リトルプリンスがどう絡んでくるのか見てみたいと思って見るけど、おじいさんが出てきたところで、あっ、となってあかんかった。

なんとなく黄昏を予感。この年頃になると辛い話に耐性がなくなって、誰も傷つかないような話しか受け入れられなくなってる。なんで?

しかしながら、また別の日の日中に(笑)、続きをみる。

ツルッとしたアニメーションとストップモーションアニメ(星の王子さまはこっち側。)が融合したストーリーになっていて、ストップモーションアニメの表現力の高さ(スルスル動くという意味ではなく)、生き生きとした風とかの動きに引き込まれる。(蛇も怖いし、狐のしっぽは、かわいかった。)主人公の隣に住むおじいさんが提供するところどころにサン=テクジュペリの格言?が、女の子と星の王子さまの繋ぎ目になって進んでいく。大人になる事と大切なものの忘却の話。

仕方がないと思う。2、3日前、何食べたか思い出せなくなってるのに大切なことと言っても何十年も前のことをキッカケなしに覚えておけるなんて、かしこの人しか出来ないんじゃない?

話の中盤から終わり近くまで、不覚にも何回か泣いてしまった。ひとり親として一人前の大人に育てるという(ちょっと強迫された)責任感を、女の子のお母さんは強調して描かれていて、女の子がおじいさんに対しても素直で健気だったから、そのコントラストに心打たれる。自分の心が薄ら汚れてるからか?洗われてる感じ。(笑)この映画の場合、ところどころヒリッとするけど、ゆーても子供向け映画なので、辛さは続かない。打ちひしがれる内容のものもあるけど、それは避ける。体に悪いから。(笑)

子供の頃、アニメーションで星の王子さまを見てた記憶がうっすらあっても、あの時は何も理解してなかった。若者になって本家の ル プチ プランス が流行った時も、あまり共感しなかった。この頃になって、たまたまこの映画を見て、やっとわかる気がする。おとぎ話の不思議な感覚と魅力的なストップモーションアニメが相まってメッセージが入りやすくなるのかも。

身近に、昔の思い出しか話さないおじさんがいたけど、あれは星の王子さま的には何やろか。

あれこれ余韻に浸ってるうちに、子供の頃によく遊んだ公園にゾウの滑り台があったことを思い出した。

鼻の滑り台を登っていったらゾウの胴体が空洞になっていて、隅っこで三角座りするのが好きだったな。石で出来ていたから(多分)、ひんやりしていた事を思い出した。その時一瞬、ただ何回も何回も滑り台を滑ることだけを考えていた頃にリアルに戻った感覚があった。

あの飽きることのない一生懸命さは、どこから?

忘れてしまわないうちに、描いてみたけど、今、あの滑り台を見たらすごい小っちゃいだろうな。

偶然、見つけた掘り出し物の映画でした。